2.フランク

イドンとは対照的に、フランクは真面目の塊みたいなヤツである。音楽も、重く、渋く、暗く、地味である(注:褒め言葉です!)。いかにも「深遠なる世界」といった感じで、もしかすると人によっては少しばかり好き嫌いが分かれるかもしれないが、ハマると相当に深い。ただこの人、ピアノ作品の数が少ない。そこで、同じく渋い曲を書いているフランクの弟子たちの作品にも手を出し始めたところまでは良かったのだが(ルクーのソナタとか、かなり良い曲ですよ♪)、ここで暴走して「よし、フランクのオルガン作品やオーケストラ作品も自分でピアノ編曲して弾いてみよう!」と明後日の方向に突き進んだのが、僕が博士号を取った研究内容である。

ちなみにハイドン&フランクの2人以外で、となると、シューベルトと山田耕筰あたりだろうか。どちらもピアノより歌が有名な人、と言えるかな? シューベルトのピアノ曲に関しては、音数は多くないのだけれど、選び方のセンスが抜群に良く、シューベルトの耳は我々凡人には聴こえていない倍音を捉えていて、作曲に活かしていたんじゃないかとすら思えてくる。フランク派の論理的な転調とは一味違ったハッとするような転調など、これまた強烈な個性の持ち主だと思う(まあ、大作曲家で個性が強烈でない人なんていないだろうけど)。山田耕筰のピアノ曲は、彼が心の師と仰いでいたスクリャービンゆずりの自由な和声と日本的な「間」が魅力だと思っている。

1.ハイドンについて
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