京都ピアノコンクール(金賞&協賛社賞)

の時は予選でベートーヴェンのソナタ(確かOp.2-2の第1楽章)を、本選でショパンのスケルツォ1番を弾いた。ファイナルのショパンは自分でも怖いくらい「決まって」いた。楽器が京都コンサートホール定番のスタインウェイでなく普段から弾き慣れたヤマハだったこともプラスにはたらいたのかもしれないけれど、僕にとって数少ない「実力以上の演奏ができたステージ」のうちの一つだった。

ちなみに、ちょうど練習時間が大幅に増え、テクニックの基礎を固め始めた頃で、この曲で初めて、指先や爪のトラブルを経験した。大学院に入ったころからは、指関節の支えが少しは様になってきたことで、多少指を寝かせても手が潰れなくなり、爪が割れたりはほとんどしなくなったが、高校の間くらいまでは、細かい筋肉の使い方が理解・体得出来ていないこともあって、指の支えの相当な部分が指先を立てての「アーチ型」に頼っており、必然的にトラブルが多かった。その時は、絆創膏を巻けば滑るし(ブレンデルは平気そうですが)、何も巻かなければ痛いしで結構困ったのだが、横山幸雄氏は瞬間接着剤で指先を固める、という対処法をしているそうだ(本人の出した本に書いてあった。当時これを読んでいれば、実践していたかもしれない)。

戻る